世界から青い鳥が消えゆく中、私だけはまだXの進行に耐えられると思っていた。
甘かった。
いつものように来たシステムアップデートの通知。それこそが終わりの始まりだった。
いつもなら「あとからアップデート」を選ぶところ、何故かその日に限って「今すぐアップデート」を押してしまったのだ。
そこから数十分の時間をかけゆっくりと、アップデートを始めたスマホ。Xは進行していた。私の気づかないところで。
アップデートが終わり、スマホの電源が入る。
様々なアプリの仕様がガラッと変わっていた。
気づいた時にはもう遅かった。
いつもいたあの場所に青い鳥はいなくなった。
私は繋ぎ止めていた手を離してしまった。
もう、戻ってこない。
ぴえんなり。